星空スペース

移住者が地縁組織に入ることは、チャンスと資格を得ることでもある

毎度どーも、星空スペース店長です。

今日も暑かったですね。

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星空スペースの庭には、毎年この時期になると芍薬(シャクヤク)が、その大きくて真っ白い花を咲かせてくれます。

 

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あまりにも頭が重くて、こうして手で押さえていないと頭を垂れて地面についてしまうほどです。

とても美しい花なので、今年は株分けしてどこか別のところにも植えてみようかなと思っています。

 

さて、先日来皆様に少しずつ情報をオープンにしている「星空と長屋門の家」。

この家は、いすみ市の荻原地区深谷津部落というところにあります。

そのため、先月よりお願いしてこの部落の集会に参加させてもらえることになりました。

星空の家や星空の小さな図書館があるいすみ市能実地区、星空スペースがあるいすみ市作田地区に引き続いて、3つ目の地区に参加できたことになります。

 

ここで、いまうちが入らせてもらっている地域の地縁的な組織と活動を整理してみましょう。

1)能実地区会:年数回の地区美化活動

2)能実青年会:年数回の集まりと夏祭りイベントの開催

3)作田地区会:年数回の地区美化活動と毎月の集会

4)作田区若衆:年数回の集まりと秋祭りイベントの開催

5)いすみ市消防団(作田地区):月数回の点検訓練作業と年数回の防災活動および臨時の出動

6)荻原地区会←new:年数回の地区美化活動と毎月の集会

 

まあ、こんな感じで地域のさまざまな集会や活動に参加させてもらっております。

人によってはたくさん入っているなあとか、大変そうと感じられるかもしれません。

でもまあ、地元の人々はこうした地縁的な組織にほとんどの場合いくつか複数参加されていて、なおかつその中でなんらかの「役割・役職」を担われています。

ですので、移住者が複数の地縁的組織に参加しているといっても、別に地元の人々とスタート地点が一緒になったというレベルで、特段何かすごいってことは全然ないのです。

よくある話ですが、移住者が田舎に移住すると、こうした地縁的組織への参加のところで揉めたり、移住者が悩んだりすることがよく聞かれます。

まあ、それは面倒くさいことだったり、時間をとられることだってあるんですが・・・。

都市部だとそれが何でもお金で解決できたり、行政に任せっきりにできるだけで、「自治」とは自分たちのことは自分たちでやるという精神に基づくと考えるのであれば、当然ながらそういった地域的な組織に属し、何らかの働きを行うことは、地域を成り立たせていくためにも構成員の一人ひとりに求められることと考えなくてはいけませんよね。

 

とまあ、そういう義務だとか責務だとか、まじめくさった話ばかりではなくてですね、僕は移住者がこうした地域の地縁的な組織に参加し、地元の人々と一緒に活動できることは、ある種の「チャンス」と「資格」を得ることだと思っています。

なかなか実際に中に入ってもらわないとこのあたりの肌感覚というのは感じられないかも知れませんけどね。

 

チャンスというのは、一番大きいのは人と「会える」機会が増加することです。

意外にというか、人との付き合い方が濃密と思われる田舎では、人と出会えるチャンスが多くはありません。

これは文字通り、本当に直接会える機会が多くないんです。

田舎ではたいてい車移動です。そして、田舎の家の敷地は広い。

ですから、車という密室にこもってしまうと、本当に途中で誰とも会わず、誰とも話しをすることもなく、家から職場まで往復できてしまいます。

職場が自分ひとりで済む仕事であったり、数人しかいないというものであれば、一日中自分ひとりか数人かと向き合っていかなくてはなりません。

しかし、地縁的組織に属していると、自分の仕事とはべつの、同じ地域の人々と話をする機会をごく自然に、あるいは言い方を変えれば強制的に、作り出すことができます。

実際、今までに僕は多くの人々にこうした地縁的組織のおかげでお会いすることができました。およそ、こうした機会さえなければ、直接お会いしてお話する機会は得られなかったでしょう。日中、みなさんなんらかの仕事で家の外に出てしまっているからです。

会って直接お話をする機会さえ得られれば、お互いに話をしていくうちに、共通する話題や問題意識を見つけることができたりします。そうしたら、そこからさらに話を広げていき、面白い人間関係を築くことだってできたりします。

まずは出会うことからはじめなければ、何も始まらないのです。

 

次に地縁的な組織活動に参加することはある種の「資格」を移住者に与えてくれます。

移住者は当然ながら地元で育った人々と違い、人間的成長の時間的過程を共有していません。

ですから、その人がどういう人なのか、もっと言ってしまえば信頼できる人なのか、一緒に仕事ができるような人なのか、地元の人々には判断がつかないことになります。

そのため、地域活動やイベントにおいて、除け者にされてしまったり、対象外とされてしまうようなことになってしまいます。

しかし、いったん地縁的な組織に入って一緒にさまざまな活動をしていけば、その人となりも見えてきますし、上記で書いたように話をしたり、ご飯を食べたりお酒を酌み交わしたりする中で、信頼関係や友人関係も築いていくことができます。

そしてようやく、こちらから頼みごとをしたり、あるいは頼まれごとをしたりという関係性を発展させていくことができるのです。

これはある種の「資格」といいますか、地域の仲間として認められ、一緒に仕事や活動をしていこうという心の拠り所になるのです。

 

損得でもなく、権利とか義務の話でもないんです。

本来的に、自分の住んでいる地域をよくしていこうという思いを有していれば、移住者だろうと地元の人たちだろうと、手を組んでいけることができるはずなんです。

でも、そのためには、ある種の仕掛け、仕組みが重要だったりします。

その仕掛け・仕組みのひとつとして、地域の地縁的組織に入らせてもらって、いろいろ話をしたり、一緒に仕事や活動をしてみると、移住者にとっていろいろな展望が開けるよという話でした。