星空スペース

人の流れと人口の関係を見ながら、考える


毎度どーも、星空スペース店長です。

5月3日は、盟友の柴田千代さんのところでイベント「寺子屋2018」が開催されますよ。

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僕も妻も一日イベント会場にいますんで、もし見つけたら声でもかけてみてください。

とにかく天気がよくなってくれるといいんですけどねえ・・・。

 

さて、ちょっと前の話なんですが、ツイッターで面白いマップを見つけまして、投稿者の西原史暁さんに連絡を取ってブログに掲載させてもらう許可を得ました。それがこちらのマップです。

 

なお、元ねたはこちらのブログ記事にあります。

東京大学の1限にぎりぎり間に合う範囲はどこまでか

 

この地図は「ある意味」において非常に示唆に富んでいると思うんですよね。

ある意味とは、人口の問題です。

昨今、地方創生というお題目の下、さまざまな政策や活動が行われているんですが、みんな理由付けという意味では「人口減少をくい止める」となっています。

実際、いすみ市に住んでみますとなるほどさまざまな局面で人口減少を如実に感じるんですが、それと人口減少対策とが明確にリンクしているかというと、実はそうでもないということが往々にしてあるわけで。

上の東京大学の1限に間に合うかどうかが死活問題の人にとって、果たして自分の町は住んでもらえる可能性があるのか、このことを考えるだけでも、どれだけリアリスティックに人口減少を食い止めようとしているのか、計ることができます。

なお、今回ご紹介のは東大の1限に間に合う(8時25分に駒場東大前駅に到着する)という条件でしたが、いまだ多くの企業や大学などでは8時30分から始業するのが一般的に見受けられる時間形態ですので、なにも東大に限らず東京の都心近くに8時30分までに行きたいというニーズは数百万人の単位で存在するわけです。

では今度は、首都東京を取り巻く千葉、神奈川、埼玉の人口分布図を見てみましょう。

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図は経産省と内閣官房が組織する「まち・ひと・しごと創生本部事務局」が運営する地域経済分析システム(通称RESAS:リーサス)が提供する統計地図データになります。

この地図では、人口の分布が色別に地図にマッピングされておりまして、暖色に近い色ほど人口が多い地域を表しております。

この地図と上の東大1限に間に合う地図を見比べると興味深いことがわかると思います。

それは、東大1限に間に合う鉄道沿線のほうが人口が高くなる傾向が明確にあることで、千葉県においても赤い色に近いのは東大1限に間に合う交通アクセスを持っている地域です。

一方で、いすみ市をはじめとする外房地域は、鉄道の沿線の、さらには駅の周辺のみが緑色になっていることがわかると思います。

これは、東大1限通学可能範囲が、駅の周辺にしかないことを意味します。

どういうことかというと、地方の場合、駅まで通うことのできる交通手段すら限られる・もしくは存在しないため自力で自動車や自転車を駆使して駅までたどり着かなくてはならないという問題があります。朝の始発電車が5時~6時代に出るというのに、それに間に合う公共交通が無く、さらには自転車では1時間以上もかかるという場合、どれだけ多くの人が、わざわざ東大に行くのかということをしっかり考えなくてはなりません。

だから、人口減少をくい止めたい、もしくは東大(など)に通う学生を誘致したい・逃したくないと自治体が本気で考えるのであれば、

1、東大1限に間に合うように、駒場東大駅まで直接送迎する
2、駒場東大前駅に8時25分に到着できるように、鉄道などの公共交通をはしらせる。
3、始発に間に合うように市内のどこからでも駅に到着できるような交通システムを作り上げる

といった政策が必要でしょうが、それを作り上げている自治体はすくなくとも千葉県の過疎に苦しむ地域では僕の知る限り存在しません。

そんなこと財政的に不可能だと思われるかもしれませんので、ちょっと計算してみましょう。

東大(をはじめとする首都圏大学)まで通うならば毎日2,000円までなら交通費で出してもいいと考える家庭くらいなら、そう無理な話ではないでしょう。まあ、それでも月に4万円なのでかなり重い家計負担にはなりますが。首都圏に一人暮らしさせるよりははるかに安いコストとなる現実があります。

そういう人が40人いるとして(大型バス1台分想定で)、バスを平日毎日東京に向けて発進させる政策を行うのはどうでしょうか。

そうすると、1週間(5日間の運行)で40人x2,000円x5日間x4週間で月に160万円の売上げが立ちます。年間で1920万円の売上げです。バスの運転手の人件費を500万円として、残りが1400万円。途中の交通費とガソリン代、そしてバスの維持費で1400万円ならば、ギリギリ維持できそうですし、足りない分を補填するくらいの補助をしても年間数百万円にしかなりません。

年間数百万円の赤字なんてとんでもないという人は、今の日本の人口減少問題のために政策的に使われているお金の規模を知っておきましょう。例えば、政策的に有名な地域おこし協力隊1人を1年間維持するために使われている税金は年間に約400万円です。

地域おこし協力隊数人を取るのに数千万円のお金を使うのか、大型バスを東京まで走らせるのに数千万円を使うのか、その政策的な判断は、結局のところ自治体にゆだねられます。

どちらが賢者の選択かは、やはりどのように人口減少をくいとめるのか、という政策ビジョンをしっかり描けているかにかかっているでしょう。

なお、文脈から地域おこし協力隊を雇い入れるのが悪いという風にとられてしまうような書き方になってしまいましたが、地域おこし協力隊1人年間400万円というコストでスティーブ・ジョブスのような人をヘッドハンティングし地域に住まわせ、その地域に数十人分の雇用や移住者を呼び込めるのであればこんなに費用対効果の高いこともありません。

だから、僕だったら地域おこし協力隊という制度を下に、優秀な人材をヘッドハンティングしまくります。結局のところ、政策が良いか悪いかは使いようであって、政策それ自体を論じてもあまり意味は無く、人口減少を食い止めるためにどれだけ有効な一手が打てているのか、それのみに焦点を絞って議論すべきかと思います。

 

―話をもとにもどしまして。

 

今までは、東大の1限に間に合うようにという「目的」に沿って話をしてきました。

当面の「人口減少食い止め」という目的を考えた場合、有効な手段になり得ると考えるからです。

でも、遠い将来にあたってもそれも有効かというと、僕はかなりの懐疑派なのです。

もし今までの記事を読んできて「第3の道」を模索するような思考回路を持つ方とは、ぜひ議論したいと思っています。僕は明確にその第3の道のために行動してますよ。

それは、

そもそも東大の1限に間に合うように生活する必要なんて無いんじゃない?

っていう視点・・・。いやもっといえば東大に通わせる必要性の話なんですが。

それを語っているとこの記事が際限なく長くなってしまうんで、今日はこの辺で筆を置きます(笑)。