星空スペース

「刀」という失われた日本文化の輝きを知る絶好の企画が大多喜町で

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実は刀剣フリークな私なのですが、星空スペースの隣町にある大多喜町で、すごいイベントが開催されるので、私宛にブログを更新しております。誰も見てくれなくても気にしない私の、私による、私のための投稿(笑)!

某所で、上図のポスターを見たときには「赤羽刀?」と、聞いたことの無い銘だったものでまずは疑問が湧いたのですが、調べてみると驚愕の歴史が埋もれていて本当にびっくりしました。これは掘り起こさなくてはならない日本の文化です。

まずは、企画展のリード文章から引用してみましょう。

第2次世界大戦後、連合国軍最高司令官は、日本国民の所有する一切の兵器を収集し引き渡すよう日本国政府に命じました。これにより、膨大な数量の刀剣類が接収され、東京都北区赤羽にあった米第八軍兵器補給廠に集められました。昭和22年、このうち約5,000振が東京国立博物館に移送され、一部が所有権者に返還されましたが、大部分は同館に保管されました。このような経緯から、こうした接収刀剣類を「赤羽刀(あかばねとう)」と通称しています。
平成7年「接収刀剣類の処理に関する法律」が成立し、所有権者不在の「赤羽刀」を全国の公立博物館等に無償譲与することとなりました。この結果、千葉県内で「赤羽刀」の譲与を受けた施設は、県立中央博物館大利根分館、県立中央博物館大多喜城分館、県立現代産業科学館、県立関宿城博物館、八千代市立郷土博物館、茂原市立美術館・郷土資料館、睦沢町立歴史民俗資料館、袖ケ浦市郷土博物館の8施設です。
本企画展では、これらの施設で所蔵する「赤羽刀」のうち、代表的なものを選び、一堂に集めて展示し、広く公開するものです。

そう、第二次世界大戦で日本が敗戦した後、占領軍の親玉であった米軍・GHQによって多くの刀剣類がなんと没収されていて、それが保管されていた倉庫が赤羽にあったために、「赤羽刀」と呼ばれていたのでした。「赤羽刀」という刀銘があるわけではなく。

さらに詳しく見ていくと、wikipedia名刀幻想事典というサイトに「赤羽刀」に関する詳しい事情が出ていて、失われてしまった「日本刀」という文化を甦らせるためにも、これは多くの人に知ってもらわなくてはならないという思いをますます強くしました。

田舎の側に暮らしてみると、歴史的に貴重な文化遺産がGHQの手によって略奪・崩壊させられてしまった事実を時々目にします。しかも日本の側も「敗戦国」としてそれを表沙汰にできない事情がありました。しかし、そろそろ日本の伝統文化を見直すためにも、GHQの功罪に光を当て、甦らせるべきものは現代に生き返らせなくてはなりません。

 

「鉄」

私たちにとってもっとも身近な金属のひとつでありますが、その鉄を極限まで美しく光り輝くように研ぎ澄ませようとしたのが、まさに「日本刀」という芸術でした。

日本刀というのは実に面白い芸術品で、平和な時代には実用性を無視した極限の美しさを人々は刀に求めました。

ということは、裏返すと、平和でない時代、つまりは戦争の時代には、刀は実用性を重視した切れ味・使い安さをもとめられ、「美しさ」は捨てられたのです。

だからこそ、美しい刀剣は平和の証、文化の隆盛の証でもあります。

それが、軍刀との見分けがつかないアメリカ人たちの手によって、一般家庭からですらも、日本刀が略奪・没収され日本刀の文化は私たちの手元からほとんど消されてしまいました。

しかも、私たちはその事実を知らないままに。

上述のように、「鉄」は私たちの生活とも関係する文化的要素です。そして、日本刀はまさにその鉄が持つ力を技術的に究極的に高めた存在といえます。まるで自動車の技術を最大に高めるF1レースのようなものです。

赤羽刀という存在を恥ずかしながら僕も今回の企画で初めて知ったのですが、実は地域の文化と密接に関係していた「日本刀」という存在を思い出すためにも、今回のような企画を強く応援したいと思います。

大多喜町には、大多喜城というお城がありまして、実はあまり知られていないことですが、そのお城の中に千葉県立中央博物館の「分館」が設置されています。その分館で今回の企画展が開催されるので、興味のある方はぜひいってみてください。とりあえず、私はいきます。

県立中央博物館大多喜城分館 企画展「甦った受難の刀剣-千葉県の赤羽刀-」

開催期間

2016年10月21日から2016年12月11日 午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)

開催場所

名称 千葉県立中央博物館大多喜城分館
住所 千葉県夷隅郡大多喜町大多喜481
電話 0470-82-3007
ホームページ 県立中央博物館大多喜城分館外部サイトへのリンク

内容

第2次世界大戦後、連合国軍最高司令官は、日本国民の所有する一切の兵器を収集し引き渡すよう日本国政府に命じました。これにより、膨大な数量の刀剣類が接収され、東京都北区赤羽にあった米第八軍兵器補給廠に集められました。昭和22年、このうち約5,000振が東京国立博物館に移送され、一部が所有権者に返還されましたが、大部分は同館に保管されました。このような経緯から、こうした接収刀剣類を「赤羽刀(あかばねとう)」と通称しています。
平成7年「接収刀剣類の処理に関する法律」が成立し、所有権者不在の「赤羽刀」を全国の公立博物館等に無償譲与することとなりました。この結果、千葉県内で「赤羽刀」の譲与を受けた施設は、県立中央博物館大利根分館、県立中央博物館大多喜城分館、県立現代産業科学館、県立関宿城博物館、八千代市立郷土博物館、茂原市立美術館・郷土資料館、睦沢町立歴史民俗資料館、袖ケ浦市郷土博物館の8施設です。
本企画展では、これらの施設で所蔵する「赤羽刀」のうち、代表的なものを選び、一堂に集めて展示し、広く公開するものです。

■休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)

■関連事業
【演武】10月23日(日曜日)13時~13時30分、14時~14時30分
立身(たつみ)流 第22代宗家 加藤 紘氏ほか(※1日2回、居合や試斬等を披露する。)
場所:大多喜城分館研修館

【講演会】11月6日(日曜日)13時30分~15時30分
佐野美術館 館長 渡邉 妙子氏「日本刀-鉄の芸術-」

【博物館セミナー】11月12日(土曜日)13時30分~15時30分
江澤 利春氏「刀匠が語る日本刀の魅力」
(※刀の手入れ方法、鑑賞の基礎知識などについて実演をまじえた講演)

【お茶席】11月19日(土曜日)※雨天の場合は翌日に順延
千葉県立大多喜高等学校茶道部のみなさんによるお茶席です。

 

費用

■入場料(企画展期間中)
一般300円(団体240円)、高校・大学生150円(団体120円)
※65歳以上・中学生以下は無料
※団体は20名以上
※障害者手帳等をお持ちの方とその介助の方は無料

くわしくはこちらのウェブページをご覧ください。

http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=314

(良)