毎度どーも、星空スペース店長です。
先日、QUEENを描いた映画「ボヘミアン ラプソディ」を観たとブログで書きましたが、その後いろいろQUEENについての曲を聴いたり、映像を見たり、調べ物をしたりするうちに、こちらの記事に出会いました。
映画に感動してこんなブログ書きました。映画を見た人は是非!
1. Queenの歴史を総括
2. 模倣不可能な独自性
3. 全員ヒットメイカー
4. 日本との繋がり
5. 影響を受けたアーティスト
6. フレディの遺作『Innuendo』
7. 盛大な追悼コンサート
8. アダム・ランバートについてhttps://t.co/BRvUbEl0TD— sogitani / baigie inc. (@sogitani_baigie) 2018年11月22日
いやあ、素晴らしすぎる。
評論を読んで涙を流したのは、いつ以来だったかと思い出せませんが、ここまでQUEENのことをまとめ上げてくれて、「感謝」という言葉以外思いつきませんでした。
QUEENがなぜ時代を超えて愛されるのか、この記事を読むと良く理解できると思いますので、どうぞ読んでみてください。
さて、11月23日から25日までの3日間、いすみ市では「ローカル起業キャンプ」というイベントが開催されていました。
そのプログラムの中で、星空の家・図書館そして星空スペースにご訪問いただいたので、そのときのことを記録しておきましょう。
まずは23日、星空スペースでランチミーティングを開いてもらいました。
冬になって、菜っ葉系のお野菜も充実してきまして、彩り豊かな食材を楽しんでもらえるようになりました。
今年何回炊いたか分からない「むかごご飯」もそろそろラストかな。毎回、初めて食べた方からも気に入ってもらえています。
和気藹々とお話しながら、お昼ご飯をみなさんモリモリ食べていかれます。
房総の豊かすぎる食材を食べれば、この地がいかに恵まれているかその可能性に気づいてもらえることでしょう。ですので、毎回食材について、少し説明を加えさせてもらっています。
おなかいっぱい食べて落ち着いてからは、場所を移動しまして、まずは星空の小さな図書館から見学してもらいました。
お次は古民家シェアハウス星空の家。
実際にものを見ながらローカルビジネスの話をしますと、参加者の皆さんの実感値とも重なって満足度は高いようです。
こうして、皆さんローカル起業の可能性を探しながら、学びを深めていました。
greenz鈴木菜央さんが主催するローカル起業部プロジェクトは、早いもので数年の月日が経とうとしています。
私たちも2年前から協力させてもらっていますが、いすみ市のみならず近隣市町村やあるいは日本全国のいろいろな人が「起業」というキーワードにつられて、ここいすみ市に訪れてくれている流れを作り出していて、なかなか面白いと思っています。
まあ、私たちはローカル起業をしたいと思ったというよりかは、このいすみに根付いて”生きていく・食べていく”ためにできることをし始めて、それが少しずつなんとか形になっているという感じなのですが、それはともかくとして、いすみ市でもっと起業する人が増えればいいなあと思っていますし、それを応援・支援できたらいいなあとも思っています。
で、それはなぜだろうか、と数々の起業系視察を受け入れながら考えています。別に他の人が起業しようがしまいが、私たちには関係ないことということだってできるわけです。ビジネス上のライバルとなる人たちかも知れない。でも応援・支援したくなるのはなぜだろうかと。
今回のローカル起業キャンプでは、私たちもいつも非常にお世話になっているいすみ市役所の職員さんもアテンド役として随行していました。
その職員さんが「いすみ市の働き方・仕事の多様性を増やしたい」という趣旨のことを皆さんに言っていたときに、ふと僕の琴線に触れるものがありました。
多様性、そうか多様性なのかと。
最近、多様性(もしくはダイバーシティー)という言葉は環境問題のジャンルで、頻繁に出てきます。
要するには、「たくさんの種類の生き物が生きていること・生きていけること」というのが多様性の意義・目的だと僕はとらえています。
で、なぜたくさんの種類の生き物が生きていけるといいのか?
この点を考えるときに、環境問題の現場では「強さ」「強い」という言葉が出てくることがあるんです。
多様性があればあるほど、「良い」。
良いのはわかるが、なぜ良いのか、といえば、そのほうが強いからだというのですね。
具体的にたとえ話で話をしましょう。
もし日本中で、サツマイモしか採れないとしたら、当然私たちの食材はさつまいもが中心になるでしょう。
朝・昼・晩すべてサツマイモ。主食もサツマイモ、おかずもサツマイモ。おやつもサツマイモです。
そして、何らかのサツマイモのひどい病気が現れて、サツマイモが全滅する事態になったら、食べている私たちはどうでしょうか。外から何らかの食べ物を持ってこない限り、私たちは当然全滅してしまいます。
しかし、仮に今の日本でサツマイモが全滅に近い状況になったとしても、飢饉が発生するほどの事態にはなりにくいでしょう。なぜならば、サツマイモがなかったとしてもなんとかなるくらいに他の食材があるからです。そう考えると、単一の作物に依存している社会や環境よりかは、複数の作物によって成り立っている社会のほうが危機に強いと考えることができます。
これが、多様性という文脈でよく語られる「強さ」という話です。
ちなみに、ちょっと脱線しますが、この多様性という概念は、ちょっと形が変わって、最近政治やビジネス、社会の分野でも、登場するようになったんです。
まず、政治やビジネスの分野では最近「レジリエンス」という言葉が流行しています。これはなにかトラブルや危機的な状況が起きた際の復旧の早さを示した度数、難しい言葉で強靭性というのを、英語のレジリエンスという用語に置き換えて説明するものです。
で、レジリエンスの話になると必ず、代替性の確保、危機的トラブルが起きた際にスイッチを入れ替えられるようにしておくことが問題になります。これも、単一の方法・アクターに頼らずに、多様な方法・アクターを確保しておくことの一例です。
また、システム業界や社会では、最近「冗長性」、英語でリダンダンシーという言葉が流行しているんです。強靭性と同じで、冗長性もなじみのない言葉ですが。
これも、強いシステムをつくる発想のなかで、そもそもシステムが危機的な状況に陥らないように、AがだめならB、BがだめならC、CがだめならD・・・といった具合に、次々と解決策を用意していくことを意味しています。
当然、問題が起きる前からA/B/C/Dという選択肢・ツールを用意しておかなくてはいけませんから、これは多様性のあるシステムということになります。
まあ要するに、強靭性も冗長性も「多様性」につながっていく議論だということです。
結論として、多様性があれば強いし、強くしたければ多様でなくてはいけない、ということなんですね。
だいぶ話がそれましたが、ではローカル起業によって、地域に多様性が生まれるでしょうか?
この問題を考えるまえに、いまの地域社会と経済が多様かどうかを考える必要がありますね。
たとえば、いすみ市では農業が盛んと必ず言われます。
では農業がどういう働き方・仕事なのかというと、作物を育てて出荷するという一連の流れになります。まあ、本当は一口に農業といってもなかみはいろいろなんですが、ここでは話を分かりやすくするために単純化させて考えて見ますと、同じような働き方をしているということは、農業(だけ)が盛んな社会は多様性が低い社会であると考えることもできます。
では、逆に、いすみでは農業が盛んで、漁業が盛んで、商業が盛んで、飲食業が盛んで、観光業が盛んで、食品加工業が盛んで、工業が盛んで、木工業が盛んで、建設業がさかんで、そのほか銀行も保険もサービス業もさかんで、うーん、ごめん正直、いすみではなにが一番盛んなのか分からない!って社会を考えてみてください。
これ、直感的に多様な社会だってことわかりますよね?
そう、贅沢言うようですが、いすみ市では何が一番盛んなのか分からない!っていう状況を作り出せたら、それはすなわちいすみ市が多様性のある社会であり、すなわちいすみ市は強い!元気であるということができるということなんです。
ひとつの地域を元気にするためのキーワードとして、多様性は考えるべきってことがなんとなくご理解いただけますでしょうか。
まあ、そんなことを僕も考えたりしまして、ならばいすみ市に多様性のある働き方を作り出すために、ひとつの「場」として星空スペースはがんばりたいなあと思った次第です。
もっといろいろ書こうかと思ったんですが、おなかがへったんで、このあたりで終わりにします。