星空スペース

房州漁民の誉れ!萬祝展 @いすみ市大原 北土舎

毎度どーも、星空スペース店長です。

いすみ市大原商店街の中には、北土舎(ほくとしゃ)さんという古民家商店を改装したギャラリーショップがあります。

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大原に出る用事があったため、久しぶりに北土舎さんに寄らせてもらいました。

ここで今、房総半島の漁業と服飾文化の両面から注目のイベントが開催されているので、ご案内しておきましょう。

房州漁民の誉れ!萬祝展

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萬祝と書いて「まいわい」と読みます。

 

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ご覧頂けば分かるとおり、縁起のよさそうなものテンコ盛りかつド派手・ド迫力な絵柄で染め抜いた着物のことなんです。

なんでも、昔は漁師さんが海に出て大漁が続いた際に、盛大に宴を催してどんちゃん騒ぎをやったそうなんですが、そのときに感謝の気持ちをこめて着る衣装を型絵染めという方法で作ったそうです。

そして、それがさらに装飾化し、「万祝」という芸術品になっていったのですね。

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僕も実際に見てみて、漁師らしいド派手な色使いに惚れ惚れとしたのでした。きっと、海の中でも目立つように、鮮やかで目に入るような色と構図が好まれるようになったのでしょう。藍の色は、外房の海の色にも似ていますね。

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日本は四方を海に取り囲まれていて、太古の昔から「漁師」「船乗り」という職業が存在していました。漁師・船乗りは日本の神話や古代史にもよく登場します。しかし、漁師や船乗りさんたちというのは文字としてその歴史をあんまり残してくれなかったため、今の日本史の中では扱いは必ずしも大きくありません。

しかし、千葉県の歴史を考える場合、この漁師や船乗りをはじめとする「海の人」たちがもたらした影響は莫大かつ甚大で、海の文化なしにはけっしてその歴史を語れないほどなのです。しかも、海の人たちは陸の人たちとはまた違った価値観を持った人々でした。たまに、日本の歴史にひょっこり出てきて、スケールの大きな仕事をしていくのもそういった海の人々だったんですよ。

特に、戦国から江戸時代にかけては、海の人たちが果たした役割はあまりにも大きなものでした。そういう海にまつわる歴史もまた僕は掘り起こしたいと思っています。

それを知る便(よすが)のひとつとして、今回の「万祝」という服飾文化を見てみると、いろいろ面白いことが分かってきます。

見るだけでも楽しいので、ぜひ興味のある人はご覧にいってみてください。

下記はイベントページよりの引用です。

==============引用

日本の染物と言えば、「友禅(ゆうぜん)」「江戸小紋(えどこもん)」「紅型(びんがた)」などが有名ですが、房州には「萬祝(まいわい)」と言う染物があることをご存知でしょうか?
房州では、江戸時代より昭和初期にかけて「萬祝(まいわい)」と言う風習がありました。大漁が複数回あった時に盛大な祝宴を開催することから、感謝する時に着用する型絵染め(かたえぞめ)の着物のことを、いつしか「萬祝」と呼ぶようになったのです。
現代では、祭り半纏(はんてん)や慶事における記念額装用などに製作されている萬祝。期間中は実物や額装の展示、小物の販売、体験会の開催等により、皆様のご来場をお待ちしております。

協力:鴨川萬祝染 鈴染(すずせん)白浜海洋美術館
※製作者による萬祝トーク&型絵染め体験会を開催します!

房州漁民の誉れ!萬祝展

講 師:鈴染 3代目 鈴木 幸祐氏・4代目 理規氏
日 時:2月24日(日) 13:00~
場 所:北土舎 店内
トーク:13:00~ 体験会:14:00~15:30
参加費:2,000円/名

要予約制:詳しくは当店までご連絡ください。
℡090-6658-4898