星空スペース

「パレスチナ そこにある日常」講演会報告 ~「知る」ことで人はさらに進めるようになる

こんにちは、星空スペース店長です。

11月14日月曜日夜に「パレスチナ そこにある日常」と題して、写真家でパレスチナに足しげく通われている高橋美香さんの講演会が、田口結美子さんの主催で星空スペースにて行われました。

14570662_1133806763355520_5779080507538983053_o

イベントのチラシ

学生時代にこのパレスチナの問題に触れる機会があったもので、私自身は大いに関心をもってこの問題を見ているのですが、それだけに日本の関心の低さというか、次元の違う遠い世界の出来事で自分には関係が無いと思っている人々があまりにも多いことを知っているだけに、今回のイベント、どれだけ人が集まるのか、それを一番に心配しておりました。

しかし、主催者の田口さんのがんばりもあり、なんと蓋を開けてみると18人もの人が今回のイベントに参加してくださいました。

image

真剣に皆さん講演者の高橋美香さんの写真を見て話を聴いていました

高橋美香さんが実際にパレスチナやパレスチナ難民のキャンプで撮った写真を見ながら、高橋さんの話を聴いていると、高橋さんは深刻になり過ぎないように淡々とお話をされていましたが、それでもこれが同じ地球で起こっている出来事なのかと心から憤慨を覚えるものでした。

心を締め付けられるような絶望と最悪の環境の中で、生きている人々の気持ちは想像するだけでも苦しくなりますし、なんとかできないものかと思います。

参加者の人たちも自分にとって身近ではなかった問題が、高橋さんの口から伝えられる事柄を通して、自分に何ができるのだろうかと考えるきっかけになったようです。

honnno%e5%86%99%e7%9c%9f

星空スペース用に、高橋さんの本を一冊購入しました。読みたい人はぜひいらしてください。

高橋美香さんは現在、パレスチナの人々の写真と話を本にまとめ、日本で販売されています。

ネットでも注文できるようですから、興味のある人はぜひ買って読んでみてください。

 

さて、今回のイベント、私としてはもうひとつ、うれしいと思ったことがあったのでした。

それは、主催者である田口さんのフェースブックの投稿で、以下のような文章を読んだからでした。

これまで、いろんな悲しいニュースのことが気になってはいても、なにもできない…というところにいたけど、高橋さんのお話に打たれたことで、なんだか、スルっと動けて、今は、当日をよいものにできるよう準備をするばかり。告知ももっとがんばります。

でも、これまで、あんまりこういう問題意識を表に出すことがなさすぎたせいか、わたしを知る人のほうがむしろ「どうしたの、突然?」という反応で、ちょっと説得力に欠けるみたいです^^;。無理もないですね・・・。

仕事では接客も大好きだし、チームのために動くことも大好きなんだけど、基本的には人見知りで内向的な性格なのは変わらないんだなーと自分で再認識しています。

そんな性格のわたしでも、こういう場が作れるのは、友だちのおかげです。ほんとにありがたい。。

しかし! うれしいことに、友だちだけじゃなくて、ネットからも、参加の申し込みがあったんです。めっちゃうれしいです><・・・。

ほんとに、あとひとりでも、ふたりでも、だれかに届いて、来てもらえたらうれしいな。

 

私は思うんですけど、「知る」と言うことはおそらく、人間が成長する、一歩進むための第一ステップなんですよね。

赤ちゃんから大人になるにしたがって、人は「知る」過程を通して、自分の思いを膨らまし、やりたいことを見つけ、人との関係性を築いていきます。まだ何も知らない幼児にとっては、「知る」こと全部が自分に関係する事柄になり、なんにでも影響を受け自分を成長させていきます。

しかし、人は大人になると、自分の関係する事柄ばかりを優先させ、いつの間にかそれ以外の事柄に無関心になり、ついには「知る」という行動自体を放棄してしまいがちですね。

こうなってしまうと、もはや人は成長の第1ステップを自ら止めるわけですから、当然ながら成長も進むこともしなくなります。

現状維持、何もしない、無関心を装う、そうした自分を守るためだけの保身行為ばかり上手くなって、それに比例して人間関係は狭く、つながりの強さも薄いものになってしまいます。

中国の偉人である孔子、私はあんまり孔子という人間は実は好きではないんですが、それでも孔子はすごい人で、この世に

「義を見てなさざるは、勇なきなり」

という偉大な言葉を残しました。

「正しいことを見て感じていながら、それを行動に移せない人は、勇気が無い人だ」

という意味の言葉です。

逆に言うと、見て聞いて知ることを通して、人は勇気をもち、行動に移せるようになります。

何度もいうように「知る」ことこそ、成長の第1歩、進むことのきっかけなのです。

今回のイベントの主催者である田口さんは、以前に高橋美香さんのお話を聴いて心動かされ、実際に自ら動き、星空スペースを活用されて、イベントに18人もの人を集め、イベントを成功させました。

今回、話を聴いた人の中から、また行動を起こす人が現れないとも限りませんし、あるいはまた何かがこの星空スペースから始まっていくかもしれません。

こうしたゼロをイチにすることこそ、もっとも尊いことだと私は思っていて、そうしたことをこのいすみでたくさん創っていきたいと考えています。

今回のイベントがその第1回になったということで、星空スペースの店長としても最高にうれしかったのでした。

これからも、そうしたきっかけづくりにがんばっていこうと思っています。