星空スペース

千葉県立中央博物館大多喜城分館にて開催された「明治・大正・昭和の大多喜 なつかしの街並み」展

毎度ども、星空スペース店長です。

最近、陸王というテレビドラマに星空ファミリーははまっています。

ついに、松岡修造演じるFelix社長も出てきて、固唾を呑む展開が続きます。いやあ、松岡修造さんは50歳にもかかわらず、スーツの着こなしが完璧すぎて実にカッコいいです。

しかし気になるのが、名演には違いないのですが、役所広司演じる宮沢社長なんですよね。
どうも原作から浮かび上がってくる人物像とイメージが重ならないのです。

こういう場合、役者や演出者のキャラクター解釈や演出のさじ加減を楽しむか、もしくはイメージとの乖離に苦しむかは人によるところでしょうねぇ。たいがい僕は原作が面白かった作品に対して期待値が高くなるため、イメージと離れて演出の度合いが強くなると、感情的に嫌悪感が先に来てしまいます。

役所広司の猛々しい演技もいいけども、違う角度から別の俳優さんの演技も見てみたいところです。まあ、残すところ2回。どうなるか、どきどきしながら見たいと思っていますけどね(笑)。

 

さて、先日のことなんですが、かつての大多喜城を利用した施設である【千葉県立中央博物館大多喜城分館】で開催されておりました「なつかしの街並み -明治・大正・昭和の大多喜」展にいってまいりました。

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再建された大多喜城の中が博物館になっております。

いったい何回行くねん!というほどに僕は大多喜城に登城していますが、いつ行っても見事な縄張りに惚れ惚れします。この城は攻めにくいですよ、本当に!(誰向けのアピール?)

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今回の目的はこちら。歴史ある城下町である大多喜の今と昔を時代ごとにさまざまな資料で考察する企画展でございました。

ちょっと行くのが遅くなってしまって、すでに企画展が終わってしまった後での紹介になってしまい恐縮なのですが、見逃した~という方もちょっとご安心を。

大多喜町の公式ウェブサイトで、企画展のときに配られていた「企画展解説書」のPDFデータが掲載されております。

そのPDFからいくつか写真を紹介しておきましょう。

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大多喜の城下町も幾度かの自然災害や火事にやられたようですが、街並みはまだ片鱗を残しておりますね。

昔の様子などを知りながら町歩きしてみると、存外さまざまなところにかつての城下町としての名残を見つけることができるので楽しい町です。

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個人的な企画展の目当てとしては、この人力軌道車の情報を集めるために今回赴いたのでございました。

映像でこの人力軌道車を押しているところを見ることが出来て満足。

むかし、このような貨車を人が押して、大多喜から大原まで行っていたというのですよ。信じられますか?なかなか絵になる情景だったと思うんですよね。この貨車を押していた人夫はそりゃ大変だったでしょうけども。

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大多喜高校を中心とした教育の発展場所としての大多喜町の紹介もありました。

ただ、僕としましては手塚岸衛(てづかきしえ)を取り上げないのは、惜しいを通り越して残念なことだと思わされましたね。

手塚岸衛は実はいま個人的に調べている教育学者で、東京の目黒区にある「自由が丘」という地名・学校名は、この手塚岸衛の理念が由縁になっています。

こちらのwikipedia のページにも出ているんですが、軍部の教育への統率支配が厳しくなっていた大正・昭和初期のあの時代に、子どもたちの自主性と自発性を重んじた自由教育を提唱した教育者が大多喜にいたんですよ。そして、大多喜町の人々は時代的風潮に従ってこの手塚岸衛を弾圧するんですけどね。日本の「教育の歴史」として、大多喜町は実に興味深い教訓を残している町なのです。

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どんな人々が使っていたのかな、と想像を膨らませてくれる古道具の数々も陳列されていました。

現代と比較して、昔の町がどのような様子だったのか、さまざまな資料はありますが、結局のところそれらのパーツは時代に固定された証拠物でしかなく、わたし達が想像力によってその時代の人々が感じたこと考えていたことに思いをめぐらせるしかありません。

記憶は想像力によって補完され、次の世代へ。そうした作業を連綿と続けてきているのが人類であり、歴史学はその作業の集積です。

いろいろな町の明かりが消え始めている今、昔に思いを馳せる人も少なくなっているとしたら、寂しいことでありますね。

せめて、町の姿が変わっても、こうして思い出してもらえるように火を繋ぐ人が居続けてくれれば良いと願ってやみません。

(良)